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川上未映子(著)「ヘヴン」★★★★★
 「第20回紫式部文学賞」受賞作、川上未映子の長編小説「ヘヴン」
 川上未映子にしか書けない傑作です。
ヘヴン

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価格:1,470円(税込、送料別)


【 作品概要 】

 斜視を理由にクラスの苛めの対象になっている14歳の「僕」が主人公。
 貧乏で不潔だとしてクラスの女子たちから苛められている少女・コジマは、こっそりと「僕」に手紙を書き始め、ヘヴンと名付けた美術館の絵を目指す・・・。
 「僕」と”コジマ”の友情の行方は・・・。

【 感想など 】

 陰湿、卑劣で凄まじい苛めであります。
 何もできずに、いじめを受け続ける日々を過ごす「僕」の心が生々しく描かれてる。
 川上未映子は、どうして、苛められる側の人間の心のヒダまで精緻に表現できるのか・・・。
 フィクションではなく、ノンフィクションではないかと思えるほど人間の心を書けてる。

 例えば「僕」が『そもそも傷つくとはなんだろう。苛められて、暴力をふるわれて、なぜ僕はそのまま従うことしかできないのだろう。従うとはなんだろう。僕はなぜなぜこわいのだろう。なぜなぜこわいのだろう。こわいとはいったいなんだろう。そんなことをいくら考えみても、答えは出るはずもなかった。』と考えるくだり・・・反射的に心に浮かぶ感情を問い続ける「僕」の思考が凄い。
 すなわち川上未映子の表現力や感受性が凄い・・・・。
-◆-

 「僕」の同級生で、やはりいじめを受けている少女・コジマは、僕にシンパシーを感じ、思いを共有しようとする。
 しかしコジマは、いじめられる側の哲学を持っていて、苛めにただ耐えるのではなく、意志をもって苛めを受け入れる強さを見出してる。
乳と卵

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価格:400円(税込、送料別)

 やがてコジマは、仲間意識、友情、共感だけでなく、共にいじめられ続けることを「僕」に求める。
 それが彼女の「ヘブン」?
 
 そして「僕」がいじめから解放されることが、友情や共感の終焉になる・・・。
 苛められる側に引きとどめようとするコジマにそこはかとない怖さを感じる。
 ここでも、川上未映子の小説力に圧倒される。
-◆-

 包丁であやまって腕を切った母が「僕」に呟く言葉『こういうのっていやだなあ。こういうのがわたし本当にいやよ。突然が本当に苦手なのよ』『こんなことがあるとやっぱり気が高ぶるじゃない。でもそれって自分でいくらしずめようとしてもうまくできないじゃない。勝手に高ぶるんだもの。そういうのきらいなのよ』
 何気ない心の反応を真っ向から文字にされると、人の心の中を覗き見してしまったような気分になります。
 こういう人の気持ちや心の中を切り取って文章にしちゃう川上未映子の感性が凄い。
-◆-

 いじめを知った母が「僕」にかけた言葉。
 『学校なんて行かなくていい。でも、高校はまたこことは違うから、行きたいなら進学するための方法をふたりで考えよう』
 『行かなきゃいけないとか、もうないからさ』
 『そんなことに付き合ってやる必要ないから。いい方法考えよう。なんでもあるから。考えればなんだってあるんだから』

 「学校なんて行かなくていい」「行かなきゃいけないとか、もうないからさ」「そんなことに付き合ってやる必要ない」として、苛めが存在する学校や社会という既存のシステムに決別してもいいとする母の意思表示、決意表示。
 「いい方法考えよう。なんでもあるから。考えればなんだってあるんだから」と、探せば希望があることを心を込めて息子に伝える母。
 ありったけの愛情をこめて息子を受け止める母の包み込むような優しさが見事に描かれたフレーズで、凄く感動しました。
 これぞ母性って感じです。

-◆-

 著者の『わたくし率 イン 歯ー、または世界』にも、すでに『ヘヴン』に至る根っこが見受けられます。
 詩的表現をひたすら繋げた『わたくし率 イン 歯ー、または世界』から、小説らしい表現に変異した『ヘヴン』・・・。
 表現者・川上未映子の文学世界は、誰とも違う!!
 いい意味でガラパゴス・・・凄い!!

 余談ながら、川上未映子が「毎日が革命前夜・・・」などと一人語りするユニクロのCMも素敵

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わたくし率イン歯ー、または世界

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テーマ:最近読んだ本 - ジャンル:本・雑誌

日本文芸一般 | 17:09:02 | トラックバック(6)
川上未映子『ヘヴン』
内容(「BOOK」データベースより) 「僕とコジマの友情は永遠に続くはずだった。もし彼らが僕たちを放っておいてくれたなら―」驚愕と衝撃、圧倒的感動。涙がとめどなく流れる―。善悪の根源を問う、著者初の長篇小説。 善悪の根源を問う、か。  ううむ、印象はちょっと...
2010-09-29 Wed 18:30:43 | 時折書房
神様のしるし~『ヘヴン』
 クラスでいじめの標的となっている14歳の「僕」は、ある日短い手紙を受け取 る。 「わたしたちは仲間です」  それは「僕」と同じように...
2010-09-29 Wed 21:12:05 | 真紅のthinkingdays
善悪
小説「ヘヴン」を読みました。 著書は 川上 未映子 2010年本屋大賞第6位 善と悪について そんなことを考えさせられる いじめから見えてくる いじめがテーマではないと思う あくまでそれは1つの道具として ...
2010-09-30 Thu 00:05:07 | 笑う学生の生活
ヘヴン(川上未映子)
…うーーーーーーむ。うむむむむむ。
2010-09-30 Thu 11:48:26 | Bookworm
「ヘヴン」川上未映子 げんなり・・・・
最後の方で、何かどんでん返しとか、凄く明るいシーンとかあるんじゃないか?とイジメの辛い描写を耐えて読んでいたのに、私的には、ああぁ・・・これでお終いか・・・と思ってしまったので・・・2つ★半~3つ★ ただ、ぐいぐい読ませる文筆力はありますね。
2010-09-30 Thu 19:25:12 | ポコアポコヤ
「ヘヴン」川上未映子
ヘヴン(2009/09/02)川上 未映子商品詳細を見る 四月が終わりかけたある日、僕のふで箱に〈わたしたちは仲間です〉と書かれた手紙が小さく折りた...
2010-09-30 Thu 22:30:35 | しんちゃんの買い物帳

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