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ロバート・J.ソーヤー(著)「フラッシュフォワード 」★★★★
海外ドラマ『フラッシュフォワード』の原作長篇
フラッシュフォワード

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■内 容

 欧州原子核研究機構(CERN)の大型ハドロン衝突型加速器(LHC)を用いて、物理学者ロイドとテオは、ヒッグス粒子を発見すべく大規模な実験をおこなった。
 実験開始の瞬間、全世界の人類が約2分間意識を失い、数十億の人びとの意識が21年後の未来に飛んでしまった。
 この”フラッシュフォワード現象”によって、航空機墜落など世界中で事故が起こり、多くの死者が出てしまい、ロイドは罪の意識に苛まれるのだが・・・。

■感想など
 
 ドラマ版『フラッシュフォワード』を観る前に、原作を読んでおこうと、図書館で借りて一読。
 ”SF”らしい”SF”で、ある程度は面白いし、リーダビリティにも優れていて、サクサク読めてしまいました。
-◆-

 ダン・ブラウンのベストセラーで、トム・ハンクス主演の『天使と悪魔』でも出てきた『欧州原子核研究機構(CERN)』って、なんか科学への好奇心をくすぐられるし、どことなくミステリアスな雰囲気もあって、SF小説の舞台にはバッチリです。
 で、ここでの実験が原因となって、人類の意識が21年後の未来に飛んでしまい、航空機事故など大惨事が起きるというプロットですから、てっきり”ディザスター小説”の色合いが強いのかと思いきや、大惨事については意外とあっさりと描かれていて、肩透かしをくった感じ・・・。

 むしろ人類が見てしまった21年後の世界は、変更可能な未来なのか、不可避の未来なのかを登場人物の物理学者が量子論的な思索を重ねる部分が濃く描かれていて、婚約者とは別の女性と暮らしている未来のビジョンを観たロイドが、結婚するかどうか悩んだりしてなんかウジウジした印象も・・・。

 せっかく、フラッシュフォワードという、とてつもない現象を材料にしているのに、小説の中盤部分が小ぢんまりして勿体無い・・・。
-◆-

 さて、小説終盤、2度目のフラッシュフォワード現象でロイドの意識が飛んだ先は、はるか未来で・・・。
 このあたりは、ACクラークの『幼年期の終わり』『スペースオデッセイシリーズ』などなど、時間と人類の進化を描いた古典的な展開。

 しかし、全体を通してみると、”CERN”という最先端の壮大なガジェットを用いながら、AC・クラークやI・アシモフほどの壮大さを描けていないかな・・・。

 やはり、クラーク、アシモフ、ハインラインの世代は偉大だったなぁ・・・。
 とはいえ、まずまず楽しめるSF作品でした

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海外SF・ファンタジー | 17:38:03 | トラックバック(0) | コメント(0)
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