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A・C・クラーク&S・バクスター(著)「タイム・オデッセイ―時の眼」★★★★★

時の眼

■ストーリー

 2037年、国連平和維持軍のビセサ達3名はアフガニスタンの国境地帯をヘリコプターで監視飛行中、ゲリラの攻撃を受け、見覚えのない砦の近くに不時着するが、そこは、恐るべき天変地異「断絶」により、200万年にわたるさまざまな時代と土地が断片となってパッチワークのようつながっている地球だった。
 国際宇宙ステーションからソユーズ宇宙船で帰還中の宇宙飛行士3名も巻き込まれ、紀元前4世紀のアレクサンドロス大王の軍団とチンギス・ハンの支配する13世紀のモンゴル人軍団が雌雄を決する戦いが・・・。
 異変後現れた無数の銀色の球体“眼”と「断絶」の関係は?
 
 英国SF界の新旧二大巨匠、クラークとバクスターが、描く「宇宙の旅」シリーズの直角編「タイム・オデッセイ」シリーズ第一弾。

■感想など

 『2001年宇宙の旅』などの「スペース・オデッセイ」シリーズの直接的な「続編」ではなく、著者が言うところの「直角編」
 確かに「スペース・オデッセイ」シリーズの匂いがプンプンする雰囲気です。
 『2001年宇宙の旅』に出現する真っ黒ですべてを吸収する直方体「モノリス」とは真逆に、光を反射し銀色に輝く球体「眼」が登場
 正反対の存在がむしろ「スペース・オデッセイ」と「タイム・オデッセイ」に共通する何かを感じさせます。
 チンギス・ハン対アレクサンドロス大王という壮大な戦いは、むしろダン・シモンズ風
 ところが、物語終盤になって一気に「スペース・オデッセイ」を思わせる哲学的な展開に・・・。
 英国SFの薫り高い王道を行くSF巨編です。
 「時の眼」は『2001年宇宙の旅』の系譜をあまつことなく引き継いでいて、A・C・クラークとS・バクスターの共著が成功しています。
 映画『2001年宇宙の旅』を見に行った時、1割程度の観客が途中で席を立って帰っていったことを思い出しました。
 立ち見だった小生は、おかげで途中から座ってみることができた・・・。
 S・キューブリックによる『2001年宇宙の旅』は、一筋縄では捉えられない哲学的な映像で、スペースSFエンタテインメントを期待して見に行った人には受け入れられなかったのかな・・・・時代の前衛を行く映画でした。
 そんな昔を思い出させてくれる本作で久々にA・C・クラークの硬派な香りを味わえ、嬉しい気分・・・・そして、バクスターは「さすが」なのであります。







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