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ニール ゲイマン(著)「アナンシの血脈」★★★★★

アナンシの血脈(上) アナンシの血脈(下)


2006年イギリス幻想文学大賞受賞作品
■ストーリー
 平凡に暮らしていたチャーリーは、父親の葬儀で「あんたの父さんは神だった」と知らされた。
 その後しばらくしてから、スパイダーという名の双子の兄弟が現れて、チャーリーの人生は急に混乱し始める。
 混乱の元凶スパイダーを追い払いたいチャーリーは父親の知り合いだった老人達に助けを求めるのだが・・・・。
■感想など
 小生は、この作家のことを全く知らなかったのだけど、凄まじく面白かったアラン・フォルサムの「皇帝の血脈」を読んだあとに、たまたま図書館でこの本を見かけて「血脈」繋がりで手を伸ばしたという、全くつまらないキッカケで読み始めました。
 ヒューゴー賞、ネビュラ賞、ブラム・ストーカー賞などを受賞した作家が書いた、アフリカ神話の神の血脈に連なる青年の物語ということなので、少々重たい作品かと思いきや、見事に裏切られました。
 ヒューゴー賞、ネビュラ賞から連想するSFでもないし、ブラム・ストーカー賞から思い浮かべるホラーでもない・・・ジャンルはファンタジーだと思うのですが、ゲド戦記なんかとは全然違う世界。
 なんとも癒される不思議な雰囲気を持った物語で、蜂蜜をかけたホットケーキみたいな感じの作品です。
 「あんたの父さんは神だった」と知らされる超平凡な青年の前に、同じく神の子である双子の兄弟が突然現れてドタバタ騒動に巻き込まれるという実にシンプルなお話しは、大人の童話・おとぎ話。
 要は主人公がドッペルケンガーに悩まされるのだけど、登場人物が皆おっとりしていて読んでいる間は、疲れる実社会から解き放たれて別世界に旅行できたような気持ちになりました。
 トレッキーである小生の心くすぐる部分が物語の終盤に数行有りました。
「転送」にまつわる会話なのですが、残念ながら訳者はあまりスタートレックには気を遣ってくれていなくって、普通の翻訳・・・残念!
 「ジェットコースター・ストーリー」だとか「スティーヴン・キング太鼓判を押す究極エンタ小説!」という宣伝文句は的を射ているけど、キングの作品を期待する人には誤解を与えるかも知れません。
 絵本を読むような気分で手に取ると良い本です。
 なにか拾い物をした気分になりました。



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