2012-05-16 Wed
どこまでが現実で、どこからが創作か・・・柴田 哲孝の「中国毒」【送料無料】中国毒 |
クロイツフェルト・ヤコブ病が近頃激増している・・・。
しかし厚労省からは何らの発表もない・・・。
『国民の気づかないところで、何かが進行している』
そんな最中に、厚生労働省健康局疾病対策課の尾崎裕司や東京医学大学教授・小野寺康夫が次々と殺害される・・。
ヤコブ病問題を追う週刊誌の女性記者、警察庁の外事情報部国際テロリズム対策課刑事、テロリスト・毒龍が錯綜する。
外務省と厚労省との力関係。
毒ギョーザ事件の顛末に、宮崎口蹄疫・・・そして日中関係。
首相は普天間問題で迷走し、”長沼”厚労大臣は政治主導を掲げて事務方から捨て置かれてる。
−◆−
現実に起きたことをリアルに重ね合わせ、そこにクロイツフェルト・ヤコブ病の謎のパンデミックを絡めた作品。
口蹄疫は中国産飼料が原因??
どこまでが創作でどこからが現実か分からなくなりそうな物語。
この作者独特の作風です。
−◆−
「日本が滅ぶ」という仄めかしがあるのだけど、作中のクロイツフェルト・ヤコブ病、あるいはクールー病は、インフルエンザほどの蔓延力を持たないので、ただちに日本が滅ぶような切迫感を感じられないのが残念・・・。
パニック小説ではないから、仕方ないかぁ・・・。
2012-05-10 Thu
高橋源一郎(著)『恋する原発』は、不謹慎と不道徳をツールにして、建前社会を痛罵してるのだと感じました。【送料無料】恋する原発 |
内容は、『東日本大震災チャリティAV』を作ろうとするエロビデオ制作者たちの物語・・・って設定。
これだけで、かなりバチ当たりであります。
”72歳・ヨネ”さん出演による企画モノAVのがエピソードあったかとおもうと、避難所でAVを撮るわ、中年不細工素人のAV撮影エピソードもあるわ、不謹慎のオンパレード。
いわゆる放送禁止用語的な単語も飛び交いますが、これは「人間の本性」や「薄々気づいている事実」を包み隠して「誤魔化した日常」を過ごしてきたことへのアンチテーゼだと受け取れました。
−◆−
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不謹慎AV物語とのギャップに戸惑いましたが、浮世から離脱しそうになった脳を現実社会に引き戻してくれました。
−◆−
後半は、クリントン夫妻にそっくりな人、オバマにそっくりな人、菅直人にそっくりな人、金正日にそっくりな人、板野友美にそっくりなダッチワイフなどが登場して、またもや不謹慎ストーリーが踊ります。
そんなこんなで、この『恋する原発』という反原発派の人たちを敵に回したり多くの人から顰蹙を買いそうな題名の本は、原発事故や諸外国の戦争行為など人間の愚かさが招く出来事を敢えてからかうような文章を不真面目に並べ立てて『ことの本質』を見つめたのだと思います。
要するに、『東京電力福島第一原発事故』という未曽有の出来事を、上辺だけの議論以上に深掘りして考えた高橋源一郎の、文字による反乱であります。
現実を怒り、未来を憂う著者が喧嘩を売っているのであります。
JUGEMテーマ:読書
2012-05-05 Sat
現代社会では『怪人二股男=塩谷瞬』が情報番組のネタとして盛り上がっておりますが、本家(?)の『怪人二十面相』は良いですねぇ。
−◆−
北村想の原作『怪人二十面相・伝』は読んでるのに、映画館での公開時には見逃していたんですけどね、思っていたより面白かった。
映画「K−20 怪人二十面相・伝」はなかなか、たいした出来栄えです。
−◆−
原作本では、江戸川乱歩が作り上げた”怪人二十面相ワールド”の手触りが凄くうまく再現されているのですが、映画では原作の骨格を活かしながらも映像ならではの魅力を加え、原作とは別の世界観が出来上がっていました。
画面全体にダークな雰囲気が匂い立つ1949年の夜の「帝都」なんてのは、映像的にかなりカッコいい。
そういう帝都や、黒マスクに黒マントの二十面相は、どことなく映画『V フォー・ヴェンデッタ (05年・米英独)』を連想させます。
ロンドンでの爆破シーンと、テスラ塔が爆発するシーンも、ほんの少し被ります。
−◆−
平吉の二十面相を追う兵隊の軍服やヘルメットが、なぜか二次大戦中のドイツ兵風・・。
これがイイ!!
町もアジアの香りが有ったり、無国籍なムードがイイです!!
非日常的な映画世界が素敵です。
ハリウッドほどは金をかけられないけど、懸命に映画世界を作ろうとしてる感じがとてもイイ。
−◆−
バットマンとスパイダーマンを足したような遠藤平吉 (金城武)のアクションも面白かったですね。
本物・二十面相と平吉がテスラ装置を巡って戦う場面にも見入ってしまいます。
羽柴葉子(松たか子)がオートジャイロを飛ばして平吉をすくいあげる場面も痛快。
松たか子がジブリのヒロインになったみたいで魅力的でした。
−◆−
「テスラ」「組木パズル」などの”ガジェット”もダークミステリな雰囲気を際立たせました。
巧いですね。
ニコラ・テスラを思い浮かべるだけで、なんともいえない雰囲気がでますよ。
−◆−
俳優さんがいっぱい出ているわけでもないけど、金城武、松たか子、國村隼ら配役の妙を感じさせました。
ナイスキャスト!!
松たか子のラストも面白かったですね。
−◆−
元ネタである江戸川乱歩ワールドに、海外映画やジブリの味付けを混ぜ合わせて、ファンタジックな作品になっていました。
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2012-05-05 Sat
現代社会では『怪人二股男=塩谷瞬』が情報番組のネタとして盛り上がっておりますが、本家(?)の『怪人二十面相』は良いですねぇ。
−◆−
北村想の原作『怪人二十面相・伝』は読んでるのに、映画館での公開時には見逃していたんですけどね、思っていたより面白かった。
映画「K−20 怪人二十面相・伝」はなかなか、たいした出来栄えです。
−◆−
原作本では、江戸川乱歩が作り上げた”怪人二十面相ワールド”の手触りが凄くうまく再現されているのですが、映画では原作の骨格を活かしながらも映像ならではの魅力を加え、原作とは別の世界観が出来上がっていました。
画面全体にダークな雰囲気が匂い立つ1949年の夜の「帝都」なんてのは、映像的にかなりカッコいい。
そういう帝都や、黒マスクに黒マントの二十面相は、どことなく映画『V フォー・ヴェンデッタ (05年・米英独)』を連想させます。
ロンドンでの爆破シーンと、テスラ塔が爆発するシーンも、ほんの少し被ります。
−◆−
平吉の二十面相を追う兵隊の軍服やヘルメットが、なぜか二次大戦中のドイツ兵風・・。
これがイイ!!
町もアジアの香りが有ったり、無国籍なムードがイイです!!
非日常的な映画世界が素敵です。
ハリウッドほどは金をかけられないけど、懸命に映画世界を作ろうとしてる感じがとてもイイ。
−◆−
バットマンとスパイダーマンを足したような遠藤平吉 (金城武)のアクションも面白かったですね。
本物・二十面相と平吉がテスラ装置を巡って戦う場面にも見入ってしまいます。
羽柴葉子(松たか子)がオートジャイロを飛ばして平吉をすくいあげる場面も痛快。
松たか子がジブリのヒロインになったみたいで魅力的でした。
−◆−
「テスラ」「組木パズル」などの”ガジェット”もダークミステリな雰囲気を際立たせました。
巧いですね。
ニコラ・テスラを思い浮かべるだけで、なんともいえない雰囲気がでますよ。
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俳優さんがいっぱい出ているわけでもないけど、金城武、松たか子、國村隼ら配役の妙を感じさせました。
ナイスキャスト!!
松たか子のラストも面白かったですね。
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元ネタである江戸川乱歩ワールドに、海外映画やジブリの味付けを混ぜ合わせて、ファンタジックな作品になっていました。
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2012-01-05 Thu
『任侠学園』『とせい』と並ぶ、阿岐本組・任侠シリーズ最新作『任侠病院』★★★★【送料無料】任侠病院 |
島田紳助引退騒動があって、2010年10月に暴力団排除条例の全国施行があって、現実世界では反社会的勢力への対策が進んであるのでありますが、娯楽の世界での”任侠道”は捨てがたいジャンル。
『セーラー服と機関銃』や『唐獅子株式会社』『プリズン・ホテル』などなど、”軽快任侠小説”は面白いから仕方ない。
で、この小説が、まさにそのジャンルでありまして、つぶれかけの病院を、正統派ヤクザ阿岐本組(総勢6人)が立て直しに奔走する。
建物の外壁を洗浄したり、待合室の蛍光灯を付け替えたり、受付職員に笑顔での対応をさせたり、接客業(?)として当たり前のことをしながら、清掃等病院業務の請負業者シノ・メディカルのバックに付いていた別の暴力団を排除したりするという、いたって平凡な物語。
だけど、組長・阿岐本雄蔵の真っ直ぐさと読みの深さで、真正面から物事に取り組む様子が清々しいから、読後感が爽やか。
今野敏の手慣れた筆力で、気持ちよくすいすいとラストまで引っ張っていかれます。




